敷金返還
お部屋を出るときには大家さんに預けている敷金が戻ってくると考えている人が多いと思います。
でも、敷金が戻ってくる為には条件があります。
敷金が戻る絶対条件は解約予定日に契約期間が満了していて、且つ、1ヶ月以上前の解約通知をする事です。
例えば、2年の契約期間の場合は2年未満での解約は契約期間内解約となり、違約金を支払わなければなりません。(違約金は預けている敷金と相殺されます)
契約期間が満了していても、1ヶ月未満(半月先に解約など)の解約通知などは違約金の対象となり敷金は戻りません。
したがって、解約予定日が契約期間が満了していて、貸主(又は管理会社)へ当該契約を解約する旨の連絡が解約予定日の1ヶ月以上前であれば賃貸借契約の違約にはならず、敷金が戻る事になります。(他に清算対象費用等が無い場合)
違約金は預けている敷金と同額と定めている契約が多く、
一般的に言われている「契約期間満了前に解約すると敷金が戻らない」というのは、期間内に解約することにより違約金の支払い義務が生じ、預けている敷金と相殺するからなのです。
しかし、契約期間満了で解約をしたとしても解約にあたり清算しなければならない費用等が有る場合は、預けている敷金と相殺されます。
例えば、原状回復費用が代表的なものです。
原状回復費用
原状回復費用とは、お部屋を借りた当初の状態に戻す為の修繕費用などです。
どのような費用かといいますと、
借主は、賃貸借契約が満了しているか否かを問わず当該物件を明け渡し貸主へ返還する場合に、契約締結時(借りた当初)と同等程度に借りたお部屋の現状を回復する義務を負います。
その為にかかる費用を原状回復費用と言います。
昨今、この原状回復についてはトラブルの多い事項なので少し詳しく説明しますね。
現状回復義務の考え方
現状回復義務の考え方としては、
お部屋を貸した(借りた)後、空室状態のまま年月が経つ事を想定しておらず、当然当該物件を使用(居住)して経年する事を前提としています。
したがって、お部屋を借りた当初の状態に戻すといっても、通常の使用による経年劣化については現状回復義務は無いとされています。
但し、通常使用以外による劣化についてはこの限りではありません。
例えば、程度にもよりますが喫煙によるヤニ汚れが有るなどは通常使用とは認められず、原状回復義務を負うケースが殆どです。
その他、お部屋の汚損や破損等も現状回復義務は負うと考えます。
床に家具等を置いていた跡が残っているとか、太陽光による壁や床の日焼け跡や照明器具電球の劣化・給排水装置の劣化・冷暖房器具・給湯設備等の劣化・壁紙等の全体的及び均一的な変色・開閉器具(ドア・扉等)の可動部分の劣化・換気扇等の異音などは通常の経年劣化と考え、原状回復義務は負わないと判断する大家さんが多いです。
原状回復については判断基準が異なる事が有るので、詳細は仲介業者や管理会社(又は大家さん)に確認して下さい。
預けている敷金から原状回復費用と その他清算しなければならない費用等を差し引いて、残金が有ればその分が返還されます。
もし、預けている敷金では足りない場合はその不足分を支払わなければなりません。
お部屋を退去(解約)する際には、
契約期間を満了していて、且つ、1ヶ月以上前の解約連絡(解約通知)を行えば、
「預けている敷金」から「原状回復費用」と「その他清算金」を差し引きます。
差し引かれた結果、余れば返還、足りなければ支払いとなります。
清算する費用等が無ければ敷金全額が戻ります。
しかし、契約期間満了前の解約や1ヶ月未満の解約予定連絡だと違約金が発生し、
「預けている敷金」と「違約金」を相殺します(敷金が戻らない)ので、「原状回復費用」と「その他清算金」の支払いが必須となります。
解約月の家賃精算
解約月の家賃は下記の三通りの何れかで精算します。
※契約によって精算方法が違いますので、契約書や重要事項説明時に必ず確認して下さい。
日割り
家賃を解約月の日数(2月の場合は28日又は29日、それ以外の月は30日又は31日)で割った金額を1日分とし、
解約月の月初(1日)から解約日までの日数分を精算する方法。
半月割り
月初(1日)から15日までの解約は家賃の半額(半月分)、16日から月末までの解約は1ヶ月分を精算する方法。
※月末や15日に解約する場合は損をしませんが、月初や16日に解約する場合は損をすることになります。
月割り
解約日にかかわらず、その月の1ヶ月分を精算する方法。
※月末に解約をする場合は損をしませんが、月末前に解約すると損をします。
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