普通借家契約
一般的な賃貸の契約です。
入居者募集などの広告で目にする物件の殆どは「普通借家契約」と言っても良いでしょう。
契約当初の期限は、1年とか2年と定められていますが更新が可能な契約です。貸主からは、正当な事由が無いと更新拒絶はできません。したがって借主が更新を希望した場合、貸主に正当な事由が無い限り貸主は契約物件に住み続ける事ができます。
但し、以下のような正当な事由がある場合はこの限りではありません。
1.契約物件の経年劣化(老朽化)等により、入居者の安全性の確保が困難と判断される場合
2.貸主が居を失うなどの理由により、貸主自らの居住を目的として契約物件の明け渡しを求める場合
3.建物の賃貸借に関する従前の経過から、更新は不適と判断した場合。
4.賃借人の建物使用状況から、更新が不適と判断した場合。
5.貸主からの財産上の給付(いわゆる「立退料」)に関する申出が有り、賃借人がそれを受諾した場合。
以上の事情を総合的に考慮して判断されます。
更新拒絶の「正当の事由」については、
借地借家法によって賃借人側の権利が厚く保護されていますので、賃貸人にとって非常に厳しい判断が行われる傾向にあります。場合によっては、多額の立退料を支払わなければならない事もあります。
定期借家契約
一般的に賃貸でお部屋を借りる場合は、期限を決めて契約することはあまり無いと思います。
例えば、1年限定とか2年間借りたら解約するなどを予め契約時に決めるケースは少ないです。
しかし、貸す側からすると「1年後に売却する」とか「2年後に自らが使用する」などの理由から、
その期日が到来したら更新せず明け渡してもらえる事を確約した契約を望む場合があります。
そうした貸主の望む条件を保護した契約方法が「定期借家契約」です。原則、更新はしない契約なので同じ物件に住み続けたい場合は再契約しなければなりません。しかし、貸主が再契約を拒む場合は物件を明け渡さなければなりません。
定期借家契約は契約延長の「更新」が無く、当初契約した期限(1年とか2年)が到来すると当該契約は自動的に解約となります。
解約となりますので、賃借人(借主)は退去(物件明け渡し)をしなけらばなりません。
貸主は一定の期間だけ貸して、その後は自分で使用するような時に便利な契約です。
しかし、借りる側からすると契約期間が到来すると必ず退去(明け渡し)をしなければならないという制限が有りますので、借り希望者は通常契約(普通借家契約)の物件と比べるとあまり多くはないです。
したがって、「定期借家契約」で募集する物件は相場よりも多少安くしなければ借り手が付かない事が多いです。
最初から何年後かの引越しが決まっているのであれば、相場よりも安く借りれる物件が有るカモ・・・
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