(でんえんじゅうきょちいき)
都市計画 における住居系 用途地域 の一つで、農業の利用の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するために定める地域。 都市計画法 に基づく制度である。
田園住居地域は、都市の構成要素としての 農地 を都市計画に本格的に位置付ける制度であって、 生産緑地 以外の市街化区域内農地について 建築 等を規制し、農業利用と調和した低層住宅の良好な住居の環境を保護する仕組みである。
田園住居地域における規制の概要は、次の通りである。
(1)開発規制
農地である区域内において、1)土地の形質の変更、2) 建築物 ・ 工作物 の建築、3)一定の土石等の堆積を行おうとする場合には、市町村長の許可を必要とする。市町村長は、規模300平方メートル未満の行為については許可しなければならない。
(2)建築規制
・区域内での建築物の用途は、低層住居専用地域に建築可能なもの(住宅、老人ホーム、診療所等)又は農業用施設(農業の利便増進に必要な店舗・飲食店等で面積500平方メートル以内のもの、農産物の生産・集荷・処理・貯蔵に供するもの、農産物の生産資材の貯蔵に供するもの)に限る。
・区域内の建築物について、 容積率 、 建ぺい率 、高さ、外壁後退を、低層住居専用地域と同様に制限する(これによって、日影等の影響を受けずに営農継続が可能となる)。