(じじょうへんこうのげんそく)
私法上の概念で、契約の内容は、社会的事情の変化があればそれに応じて変更されなければならないという原則のこと。
明文の規定はないが、契約締結後、急激なインフレなどの契約当時まったく予見できなかった社会的事情の変動があり、それが当事者にとって重大である場合には、「信義誠実の原則」を適用して、当事者に契約の解除、または契約内容の改定を請求することを認めようという考え方である。
例えば、「借地借家法」では、地価の変動等の経済事情の変動などによって地代や借賃が不相応になったときには、契約の条件にかかわらず、地代や借賃の増減を請求できるとしている(地代等増減請求権および借賃増減請求権の規定であり、強行規定である)が、この規定は、事情変更の原則を法律のうえで認めたものといわれている。だが、具体的にどのような場合に事情変更の原則が適用されるかは、判例によって判断するほかない。