(じゅうだいなふりこう)
債務の履行について合理的な期待を持てない状態にあることをいう。このような場合には、債務者に故意・過失がない場合にも契約解除を認めるべきであるという私法上の考え方がある。
伝統的に、債務不履行による契約解除には相手方の責めに帰すべき事由が必要であるとされ、民法はこれを採用している。これに対して、契約解除は合理的な期待を失った法的拘束から債権者を解放する役割を果たすのだから、債務者の故意・過失の有無とは無関係にこれを認めるべきであるという考え方(帰責事由不要説)があり、その要件とされるのが「重大な不履行」である(ただしどのような場合が重大な不履行に当たるのかについては必ずしも明確ではない)。
このように帰責事由の取扱いは債務の履行を確保する上で大事な観点であり、そのあり方について議論がある。