マンションや一戸建てのメリットとデメリット
マンションと一戸建てでは根本的に所有形態が違います。
例えば敷地(土地)の所有について、マンションの場合は所有者全員で共有しています。床面積の大小に応じて持ち分は増減しますが、特定の誰かの所有という事はありません。
一方、一戸建ての場合は、通常は物件を所有している者が敷地(土地)も所有する事が一般的です。
例外として、敷地が借地という場合も有りますが稀なケースです。
そしてマンションの場合は自分が所有する部屋以外の部分、例えば廊下や共用施設なども共有持ち分で所有する事となります。
したがって、一戸建ての場合は全て自分が所有する事となるので自由に使用する事ができます。しかし、マンションの場合は自分の部屋以外は共有物となりますので、廊下などの共用部分を占有使用する事はできません。
このように性質の違う不動産の為、それぞれにメリットやデメリットが存在します。
以下にそれぞれの利点や欠点を説明致します。
マンションのメリット:利便性
マンションに住む最大の利点の一つは、利便性です。
一般的に、マンションは市街地や交通の便が良い場所に位置しています。
この立地条件は通勤や通学、買い物などに大変便利です。
駅直結やマンション館内から屋外に出ずに駅構内へ行けるような通路や回廊が敷設されている事も有ります。
自宅から一度も屋外に出ずに電車などで都心まで移動し、買い物やその他の用事を足した後、そのまま屋外に出ずに自宅に戻る事ができるというマンションも有ります。このような物件に居住すると、よほどの事が無い限り他に移る気にはならないと思います。
マンションのメリット:セキュリティ
マンションは一般的には管理人が常駐している事が多く、部外者の出入りをチェックします。
見慣れない人や不信と思われる人物が入館しようとすると呼び止められる事もあります。
そして、マンションによっては「オートロック」が設置されていて外部から自由に入館できない場合もあります。
更に、殆どのマンションには「防犯カメラ」が設置されています。設置されている場所も、エントランス(集合玄関)の他、廊下やエレベーター内その他共用施設等に設置されている事が多く、管理室で常にモニタリングしています。
また、24時間体制のセキュリティがあるマンションも有り、マンションは一般的には安全性が高いと言えます。
マンションのメリット:充実した共用施設等
マンションには共用施設があります。
マンションによっては、ジムやプール、ラウンジなどが用意されている物件も有ります。
その他、温泉施設やサウナ、岩盤浴や屋上BBQ施設などが用意されているものも有ります。
最近では、電気時自動車用の充電設備や洗車場、ペットの足洗場やグルーミング室、更にはシアタールームやカラオケルーム、バー施設、ライブラリー(図書室)、宿泊可能なゲストルーム、酸素バーなどが設備されている物件も有ります。また、入居者限定で使用できるレンタルキャンピングカーが用意されているマンションも有ります。
このように、マンションは便利な共用施設が利用できる物件も有ります。
マンションのデメリット:プライバシー等
マンション生活にはデメリットもあります。
一つはプライバシーの問題です。隣人との距離が近く、生活音などが気になることもあります。
筆者が受ける相談の多くは上下階の音問題です。
上階の居住者が入れ替わった後、今までは無かった騒音に悩まされる事が有ります。
また、自分が入居を始めた直後から下階の入居者から騒音のクレームを受ける事も有ります。
その他、隣室からお経のような音が聞こえるとか、TVやオーディオが大音量で聞こえてくる、又はどこからか犬の吠え声が聞こえる、・・・etc…
音の問題は多いです。
他には、どこかの部屋のバルコニーでタバコを吸っている人が居るらしく、窓を開けるとタバコの匂いが入ってくる。とか、駐車区画のもめ事など、プライバシーやトラブル等についてマンションの場合は多岐にわたります。
マンションのデメリット:費用等(ランニングコスト)
共用部分の管理費や修繕積立金など、マンションならではの出費があります。
そして、これらの費用等は値下げすることは珍しく殆どの場合は数年毎に値上げを実施しています。
特に、修繕積立金についてはマンションの築年数が古くなるほど高額になっていきます。
修繕積立金は長期修繕計画に基づいて、実施する大規模修繕箇所や徴収する修繕積立金の額などが決められております。
したがって、自分の意思で金額を設定する事ができず、決められた額を支払い続けなければなりません。
管理費についても、社会情勢や物価等によって決定されるため やはり自分の意思では金額を決める事ができません。
他にも毎月、駐車場料金やその他の費用がかかる場合もあります。
一戸建てのメリット:自由度が高い
一戸建てに住む最大の利点は、自由度の高さです。
自分の土地と家を持つことで、改装や増築など、自由に自分の好きなように生活空間を作ることができます。
マンションでは禁止されている外壁へ穴を開ける行為(エアコンの取り付けの為に)なども自分の所有物であれば自由に実施できます。
リフォーム工事について、マンションでは床をフローリング禁止としている物件も有りますが一戸建てでは そのような制限は有りません。
玄関ドアの交換も、マンションでは共用部分に該当する為に不可とされていますが一戸建てでは可能です。
近所迷惑にならなければ、ペットも飼育できるし、部屋の中でカラオケなども楽しむこともできます。
小さなお子様が部屋の中で走り回っても飛んで跳ねても誰にも文句を言われることは有りません。
駐車スペースに関しても、区画のラインぎりぎりだとか、はみ出しているとかそのようなトラブルは一切有りません。
毎月かかる管理費等も有りません。
また、一戸建てはマンションと比べてプライバシーが確保されやすいというメリットがあります。
自分の土地なので、隣人との距離を適切に保つことができます。
一戸建てのデメリット:メンテナンス費用
一見、メリットが多い一戸建てですが
一戸建てにもデメリットがあります。その一つはメンテナンス費用です。
一戸建ての場合、家の修繕や庭の手入れなど、すべて自分で行う必要があります。
外壁や屋根、給排水管など長期的にメンテナンスや修繕を計画する必要な部位があります。
マンションのように修繕積立金等が有るわけでは無いので、自身で計画的に積み立てるか予算を組んでおく必要が有ります。
その他、札幌(北海道)のような積雪の有る地域では冬期の除雪や排雪に費用がかかります。
敷地が広くて空いているスペースが有れば、玄関前や駐車場などに雪を積むことができますが限界があります。雪を積むスペースが無ければ専門業者へ雪の撤去を依頼しなければなりません。
スポットで1回いくらとか、何回依頼してもワンシーズン固定料金のような契約が有ります。
自力でなんとかしようとすると、融かすしかありません。雪を融かす方法はロードヒーティングとか融雪漕や融雪溝を設置することとなりますが、燃料費(灯油又は電気)が非常にかかります。
※ロードヒーティングを設置したが、燃料代が高額な為にスイッチを切っている人も結構います。
一戸建てのデメリット:立地
一戸建てはマンションに比べて立地に制約があります。
都心部では土地の値段が高いため、駅から遠い場所や郊外に住むことを余儀なくされる場合があります。
したがって、通勤や通学が不便になることは否めません。
勤務先や学校へ電車やバスを数回乗り換える事も珍しくはありません。
自家用車で通勤する手段もありますが、勤務先周辺で駐車場を借りる事を考えると公共交通機関で通ったほうが良い事が殆どです。
マンションと一戸建て、どちらを選ぶか
どちらが最適な選択かは、あなたのライフスタイルや家族の状況、財政状況によるところが大きいです。
どちらも一長一短があるため、自分自身の生活スタイルや好みに基づいて選択することが最も重要です。
マンション生活は便利さとセキュリティを重視する方におすすめです。
一方、一戸建ては自由度とプライバシーを重視する方におすすめです。
以下にそれぞれの主な特徴を比較してみました。
マンション | 一戸建て | |
---|---|---|
プライバシー | X | ◎ |
セキュリティー | ◎ | X(自己対策必要) |
自由度 | X(利用制限等有) | 〇 |
ランニングコスト | X(毎月管理費等有) | 〇 |
修繕費用等 | 〇(修繕積立金有) | X(全額自己負担) |
利便性 | ◎ | X |
リフォーム等 | △(制限有) | 〇(制限無) |
ペット飼育 | △(制限有or不可) | ◎(制限無) |
駐車場等 | △(通常1台分or無) | 〇 |
資産価値 | △ | 〇(立地による) |
経年による償却 | 〇 | X(木造の場合) |
購入する際のチェックポイント
マンションか一戸建てのどちらを選択するか決めた後、重要なのは、その選択があなたのライフスタイルやニーズに最適であるかどうかを見極めることです。
ここでは、マンションと一戸建てを購入する際の主要なチェックポイントをいくつか紹介します。
- 立地
マンションの場合、通常は交通の便や周辺の施設が重要な決定要素となります。
通勤時間や周囲の環境、子供の学校の位置などを考慮に入れましょう。 - 管理体制
マンションの管理体制も重要です。
管理会社がきちんと働いていて、共有部分が清潔で良好な状態であることを確認することが重要です。 - 費用
マンションの購入価格だけでなく、管理費や修繕積立金などの維持費も考慮に入れて予算を計画する必要があります。
- 土地
一戸建てを購入する際の最大の要素は土地です。
土地の広さ、形状、日当たりなどを考慮する必要があります。 - 建物の状態
建物の構造や耐震性、設備の状態など、現在と未来のメンテナンスを考慮に入れることが重要です。 - 周囲の環境
一戸建ての場合、周囲の環境が直接的に生活の質に影響を与えます。騒音や治安、近隣との関係など、チェックするべきポイントがあります。
最後に
いずれにせよ、マンション派であれ一戸建て派であれ、大切なのはあなた自身が住み心地の良い場所を見つけることです。
それが都会の便利なマンションであったり、自由な空間を楽しむことができる一戸建てであったりするのは、あなた次第です。
あなたの価値観やライフスタイルに基づいた最適な選択をするために、十分な情報を集め、理想の住まいを見つけてください。今日の記事があなたの選択の一助となれば幸いです。
札幌(北海道)は雪の問題が有るので、
高齢になるとマンション住まいを希望するかたが多いです。(^^)
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